VOL.49 ピックアップ動物

南米チリやペルーのフンボルト海流沿岸に生息するペンギンです。野生では気候変動やネズミ等外来生物などによる生息環境の破壊などが原因で数を減らし絶滅が危惧されていますが、日本の動物園・水族館では生息地とよく似た気候や繁殖・人工育雛技術の高さにより、数を増やして、ペンギンの生理・生態の解明や保全に貢献しています。その増え方は順調、むしろ狭い日本では増えすぎというくらいで、血縁関係を調べて管理し、近親交配を避けています。そのためやたら繁殖させることはできませんが、現在バックヤードで一組の夫婦がひなを子育て中です。一度食べた魚を吐き戻して子どもに与えるため、両親の負担はとても大きく、職員も雛への給餌を補助したり、調子の悪くなった親の治療をしたり、気が抜けません。 年に一度の換羽では、水に入ってエサの魚を食べられなくなるため、事前に食いだめをしてしっかり太り、体力をつけます。春から夏に見られますが、夢見ヶ崎動物公園のペンギンたちは大体7月から8月です。換羽が始まると羽はぼさぼさでまばらになり、汚れて苦しそうな表情になりますが、ご心配なさらず見守っていただければと思います。

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