VOL.65 獣医の日記

8 頭いたボリビアリスザルがいつの間にか7頭になっているのに気づいた方もいらっしゃるかもしれません。実は28歳と高齢のオス、ミントがだいぶ弱ってきており、群れでの生活が難しくなってきたため、2020 年末からバックヤードで入院・隠居していました。それでも最初のうちは自分で餌も食べ、動き回っていたのですが、この数か月はほとんど寝たきりで、職員による介護が続いています。寝たきりなので時々体勢を変えてやっていますが、それでも床ずれができてしまいます。治療と並行して、毛布を二重にふんわり敷いたり、マメに体を拭いて清潔に保ったりしています。 自力で餌を食べることができないものの、口から食べることはできるので口元に餌を運んでやります。目が見えなくても匂いや触感などで何が口元に来ているかわかるようで、好きなものだと大きな口を開けて欲しがりますが、それが食べたい気分ではない、という時は口を真一文字に結んで拒否します。 動物園を長い間支えてくれた高齢動物にいかに快適にすごしてもらえるか、ということは、動物たちの一生を預かる飼育員、獣医師にとって永遠の課題です。

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