VOL.79 獣医の日記
ピックアップ動物コーナーで少し触れましたが、ボリビアリスザルのはかたは高齢のためバックヤードで飼育をしています。最初のきっかけは体調を崩したことでしたが、回復した後に退院させると高齢ゆえ環境があわなくなってきたのか、あるいはしばらく群れと離れていたため折り合いが悪くなったのか、また不調になる…ということを繰り返したためです。飼育下での寿命は20歳程度とも言われており、23歳はだいぶ高齢ということもあって体調に波があり、ちょっとしたトラブルは時々起こるものの、飼育担当たちの細やかな気配りにより、概ね安定した日々を過ごしています。 動物を展示して生態を知ってもらうのは動物園の大きな役割のひとつですが、展示動物だけでなく、様々な理由で展示できない動物のケアも、このような役割を動物に担ってもらっている我々の義務だと考えています。飼育管理作業や診療等、その行為自体や結果はともかく、それらにかける配慮や思惑そのものは見えるはずがないものなので、いわゆる「動物園が社会に求められる役割」との関連はあまり無いように思われ、実際、直接結びついているわけではありません。それでも、動物園が人間社会において果たす役割、すなわち動物が動物園を通じて人間に提供してくれる知識や体験は、動物の自然で自由な一生と引き換えであることを、それに対して我々がまず最優先するべきは動物のケアであることを常に念頭に置くことだけは忘れてはいけないなと、折に触れて気を引き締めています。










































