コバタン

コバタンってどんな鳥?
コバタン(Cacatua sulphurea)は、まっ白な羽と頭の上にあるふさふさした飾り羽(かざりばね)がとってもきれいな鳥です。「オオバタン」という名前でも呼ばれています。外国では「ホワイト・コカトゥー」と呼ばれています。
大きさは45センチくらいで、しっぽまで入れるともっと長く見えます。からだ全体が白くて、目のまわりには少し青っぽい色がついています。オスとメスの見た目はとてもよく似ていますが、メスの目の色が少し茶色っぽいことがあります。
コバタンはとても頭がよくて、人の話す言葉をまねするのがとくいです。うれしいときには頭の飾り羽をピンと立てて、からだをゆらゆら動かしたり、甘えた声を出したりします。
どこに住んでいるの?
コバタンは、インドネシアという国の島々に住んでいます。その中でも「マルク諸島」と呼ばれる島々で、ハルマヘラ島、テルナテ島、ティドレ島、バチャン島などのかぎられた場所にしかいません。
あたたかい森の中で暮らしていて、低いところにある森から山の上の森まで、いろいろな高さの場所で生活しています。
いつもは木の上で過ごしています。高い木の枝にとまって休んだり、くだものを食べたり、なかまと一緒に楽しそうに飛びまわったりしています。コバタンはとても仲良しで、グループを作って行動することもあれば、夫婦や親子だけで過ごすこともあります。
鳴き声はとても大きくて、人間が聞くと「うるさい」と思うくらいです。でも、この大きな声は、なかまと話をしたり、「ここは私たちの場所だよ」と教えたり、「あぶないよ!」と知らせたりするのに使っています。
何を食べているの?
コバタンは、いろいろなものを食べる鳥です。おもに、くだもの、種(たね)、木の実、お花のみつなどを食べます。たまには虫や虫の赤ちゃんを食べることもあります。くちばしがとても強くて、かたい殻(から)でもかんたんに割ることができます。
野生では、森の中で自然に実ったくだものや木の実を見つけて食べています。くちばしで上手につかんだり、足で持って食べたりします。コバタンはとても頭がいいので、食べものを見つけるためにいろいろな工夫をします。
朝と夕方によく動きまわって食べものを探し、昼間は木の枝で休んだり、羽をきれいにそうじしたりして過ごしています。
赤ちゃんはどうやって育てるの?
コバタンは、オス(お父さん)とメス(お母さん)がペアになって、長い間いっしょに子育てをします。一度ペアになると、何年も同じ相手と過ごします。
赤ちゃんを作る時期は、だいたい10月から3月ごろです。お父さんとお母さんが木の穴を見つけて、そこを巣(す)にします。そこに1〜3個のたまごを産んで、お父さんとお母さんがかわりばんこであたためます。
たまごがかえるまでには25〜30日かかります。赤ちゃんが生まれたあとも、10〜12週間は巣の中で大切に育てられます。お父さんとお母さんは、口うつしで食べものをあげて、赤ちゃんがちゃんと飛べるようになるまで見守ります。
コバタンは家族をとても大切にする鳥で、親子のきずなもとても強いことで知られています。