ワカケホンセイインコ

きれいな緑色の体に赤いくちばし。長いしっぽがとってもおしゃれ。 オスの首には黒とピンクのリング模様があるよ。
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インドからやってきた緑のインコ
ワカケホンセイインコは、インド南部やスリランカに住んでいるインコの仲間です。学名は「Psittacula krameri manillensis」といいます。英語では「インディアン・リングネックド・パラキート」や「ローズリングド・パラキート」と呼ばれています。
とても適応力が強い鳥で、もともとの住みかだけでなく、世界中のいろいろな国で野生化しています。日本でも東京をはじめ、いくつかの都市で野生の群れを見ることができます。
どんな姿をしているの?
体はきれいな緑色をしています。くちばしは赤色。尾羽がとても長くて、体の半分以上もあります。全体の長さは約40センチくらいです。体重は約115グラムから130グラムほどで、りんご1個くらいの重さです。
オスとメスのちがい
オスには首のまわりに黒と赤紫色のリング模様があります。これが「ワカケ(輪掛け)」という名前の由来です。メスにはこのリング模様がありません。
ヒナの頃はオスもメスも同じ姿で、リング模様がありません。3歳くらいになると、オスだけにリング模様が現れます。
どこに住んでいるの?
もともとはインド南部とスリランカに住んでいます。森や草原、農地などいろいろな環境で暮らせます。都会にも上手に適応して、公園や庭など人間の近くでも暮らしています。
ペットとして人気があったため、世界中に連れていかれました。にげ出した鳥たちが野生化して、イギリス、ドイツ、オランダ、日本など35カ国以上で暮らしています。都会では気温が高めで、エサも見つけやすいので、うまく生きていけるようです。
何を食べるの?
おもに種子や穀物を食べます。食べ物の約80パーセントが種子です。果物や花のつぼみ、蜜なども好きです。虫を食べることもあります。
農地の近くでは、トウモロコシや米、小麦などの作物を食べてしまうことがあります。そのため、農家の人たちと問題になることもあります。
どんな生活をしているの?
昼間に活動する鳥です。木の上で暮らすことが多く、群れで行動します。とても社交的で、夜は大きな群れでいっしょにねむります。何千羽もの群れになることもあるんですよ。
鳴き声はとても大きくて、「キューキューキュー」という速い声で鳴きます。危険を感じると、深い「クルルル」という声を出します。
繁殖
一度つがいになると、そのパートナーとずっと暮らします。繁殖期は12月から1月ごろです。メスがオスに頭をこすりつけて、パートナーに気持ちを伝えます。
巣は木のうろに作ります。キツツキがあけた穴などを使うことが多いです。平均して4個くらいの卵を産みます。約3週間で孵化して、生まれてから7週間くらいで巣立ちします。
お父さんとお母さんがいっしょにヒナを育てます。2歳くらいまで親のそばで暮らして、独り立ちします。
絶滅の心配は?
IUCNという自然を守るグループは、ワカケホンセイインコを「低懸念」として評価しています。これは「今のところ絶滅の心配は少ない」という意味です。
むしろ世界中で数がふえていて、もっとも成功した外来種の鳥のひとつとされています。ただし、野生化した場所では、もともとその地域にいる鳥たちの巣穴をうばってしまうことが問題になっています。
出典
- Animalia. Rose-ringed Parakeet. Retrieved from: https://animalia.bio/rose-ringed-parakeet
- Animal Diversity Web (ADW). Psittacula krameri. Retrieved from: https://animaldiversity.org/accounts/Psittacula_krameri/
- IUCN Red List. Psittacula krameri. Retrieved from: https://www.iucnredlist.org/species/22685441/132057695










































