VOL.75 獣医の日記
昨年11月末頃から、時々レッサーパンダのケイコが朝からエサを食べずに巣箱にこもることが出てきました。丸1日くらい経過するといつものコロコロした糞ではなく大量の粘液を排泄し、スッキリして急にいつも通り元気食欲が回復します。これで終わりならよかったのですが、その後も数日おきに症状を繰り返すようになってしまいました。この症状自体はパンダによくみられるもので、原因ははっきりとわかっていないものの竹の消化不良による腸炎ともいわれており、治療の必要はなく自然に治るものとして知られています。治療の必要がないといっても、おそらくは腹痛があると思われ、何とかしてやりたいなぁという気持ちと、何もできないもどかしさがある中、試しに整腸剤を与え始めたところ、年が明けてからはだいぶ状態が落ち着いてきました。毎朝、元気な表情と動きをみるとほっとします。 実は以前夢見にいたケイコの双子の兄弟・ケンタが時々このような状態になっており、ケイコは3年前に一度なって以降久しぶりの再発、両親のアンとファファに至っては一度もありません。神経質な性格が影響しているのかは不明ですが、このまま落ち着いてくれることを願いつつまだまだ気は抜けません。