VOL.66 ピックアップ動物
フンボルト海流の流れる南アメリカ沿岸に分布するペンギンで、野生では個体数が減少し絶滅が危惧されていますが、日本の動物園水族館では安定して繁殖させることができています。 原則としてつがいになった♂♀は繁殖期が終わってもそのまま関係を継続し、つがいの片方を何らかの理由で捕まえると大騒ぎで攻撃してくるなど、強い絆があります。 中にはその強い絆を1羽だけでなく、複数の相手と結んでしまう個体もいます。ある♂は午前と午後で別の♀と一緒の部屋で過ごし、部屋の外で♀同士がこの♂を巡って大喧嘩をすることもしばしば、♂は知らん顔して止めもしません。 野生動物には彼らのルールがあり非難はできない、ましてや擬人化してその感情を推し量るのは無意味ですが、当事者たちの穏やかではない様子を見ると様々なことを考えずにはいられません。