VOL.76 ピックアップ動物
ペンギンといえば南極に生息する動物と思っている人が少なくないかと思いますが、ペンギン全18種のうち南極に分布するものは4種だけで、フンボルトペンギンはその他14種に含まれます。 野生では南アメリカのチリからペルーにかけて、太平洋沿岸地域に生息します。生息地の環境変化等により個体数が減少し、絶滅が危惧されていますが、日本の動物園・水族館では繁殖がうまくいき、よく見られる種類のペンギンとなっています。 日本で飼育していると冬に繁殖活動が活発になり、春先に卵が孵化します。今年の春も1羽が孵化しました。両親は千葉市から夢見に来て3羽のひなを育てたベテランです。全身灰色のふわふわした羽毛で覆われたひなはまだ泳ぐことができないため、両親が食べた魚を半消化状態で口移しにて食べさせます。ひなのいる巣穴の入り口はこの両親がしっかりガードしており、姿はなかなか見られませんが日増しに鳴き声が大きくなっており、元気に成長しているのがうかがえます。早くも時々、短時間巣穴の外に出るようになり、運が良ければ姿が見られるかもしれません。