アオボウシインコ

英名:Blue-fronted Amazon
学名:Amazona aestiva
分類:脊索動物門 > 鳥綱 > オウム目 > インコ科

アオボウシインコって、どんな鳥?

アオボウシインコ(青帽子インコ)(学名:Amazona aestiva)は、オウムのなかまで、ブルーフロントアマゾンや、トルコ石色の額を持つインコ(ターコイズ・フロンテッド・アマゾン)とも呼ばれています。

住んでいる場所

アオボウシインコは、南アメリカのアマゾン地域に広く住んでいる鳥です。特にブラジル北東部、ボリビア、パラグアイ、アルゼンチン北部などの森林やサバンナ、草地に生息しています。彼らがくらす場所は、標高が0メートルから887メートルまでの範囲で見つかっています。

はで見た目と目のひみつ

あざやかなカラーリング!

アオボウシインコは、体全体があざやかな緑色の羽でおおわれています。名前の通り、額(ひたい)には明るい青色の羽があり、顔の周りには黄色が広がっています。翼には赤や濃い青の模様もあります。大きさは、だいたい33センチから38センチくらいで、重さは平均で400〜430グラムほどです。

人間には見えない色がある!

アオボウシインコには、オスとメスがいます。不思議なことに、人間の目で見るとオスとメスはほとんど同じ色に見えます。

でも、鳥の目は私たち人間とはちがいます。人間は光の三原色(赤、緑、青)を見分ける「三色型色覚」ですが、鳥の目は「四色型色覚」といって、人間には見えない紫外線(UV)の光も見ることができます。

このため、科学的に羽根を調べると、このインコたちは紫外線に反射する羽根の模様がオスとメスでことなっており、彼ら鳥同士はお互いのちがいをきちんと見分けていることが分かります。

どんな生活をしているの?

食べ物はベジタリアン

アオボウシインコは主に植物を食べる「草食動物」です。野生の種子、果物、ナッツ、若葉、花などを食べて生活しています。食べる時には、足を使って食べ物をつかみ、くちばしと舌を使って種や実の中身を取り出します。

ただし、彼らは農作物も食べてしまうことがあり、特にかんきつ類の作物にとっては「害鳥」と見なされることもあります。

家族と群れの生活

彼らはとても社交的な鳥で、一年中群れで行動します。恋愛(繁殖)については、一夫一妻制で、一度に一羽の相手とペアになります。繁殖期の間、夫婦のペアはねぐらやエサ探しをするときも寄りそって行動します。

また、アオボウシインコは昼行性なので、日中に活動し、夜になると木のてっぺんでみんなで一緒にねぐらにつきます。

巣の作り方

アオボウシインコは、自分で巣穴をほることはしません。代わりに、他のだれかが使った後の古い巣穴を利用して巣を作ります。そのため、彼らが巣を作るには、成熟した大きな木が必要です。

メスは、通常1回に2個から3個のたまごを産み、約1か月(30日)温めます。ヒナはふ化したばかりのときはまだ未熟で(ばん成性)、親鳥はヒナが独立するまでずっと世話をし、口移しでエサを与えます。ヒナが独り立ちするまでには約9週間かかります。

コミュニケーションと長寿

たくさんの鳴き声

アオボウシインコは、9種類のことなる鳴き声を持っていることが分かっています。例えば、「wak-wak」という鳴き声は一年中使われる主な鳴き声で、飛ぶときやなかまに連絡するとき、しん入者が来たときなど、さまざまな状況で使われます。また、いかくや防御をする時には「Waahh」と鳴き声をあげることがあります。

鳴き声のほかに、ペアのきずなを深めるために、お互いに毛づくろいをしたり、くちばしを触れ合わせたりする、触覚(さわること)を使ったコミュニケーションも行います。

とても長生き!

アオボウシインコは、飼育されている環境では、最大で70年も生きることが期待されています。

今、インコたちが直面している問題

減っている原因

このインコたちが生息している地域では、森林ばっさいが大きな問題になっています。アオボウシインコは成熟した古い木の巣穴を必要とするため、森林が破かいされると、巣を作る場所がなくなってしまいます。

また、彼らはその美しさからペットとして捕かくされ、売買されることも多く、これも個体数が減っている大きな原因です。さらに、農作物を食べてしまうために、農家からくじょされてしまうこともあります。

保護の状況

国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストによると、アオボウシインコの保護状況については、広い生息地を持つため「軽度けねん(Least Concern)」とされていますが、個体数が減少しているため、将来的に「危急種(Vulnerable)」になる可能性が指てきされています。別の情報源では「準絶滅危ぐ(Near Threatened)」と記さいされています。彼らを捕かくしたり取引したりすることについては、国際的な規制(CITES II)が設けられています。

参考文献

  1. BirdLife International.
    (2024). Turquoise-fronted Amazon (Amazona aestiva) – Species Factsheet.
    Retrieved from: https://datazone.birdlife.org/species/factsheet/turquoise-fronted-amazon-amazona-aestiva/
  2. University of Michigan, Museum of Zoology.
    (2024). Animal Diversity Web: Amazona aestiva (Blue-fronted Amazon).
    Retrieved from: https://animaldiversity.org/accounts/Amazona_aestiva/
  3. San Francisco Zoo & Gardens.
    (2024). Blue-fronted Amazon – Species Information.
    Retrieved from: https://www.sfzoo.org/blue-fronted-amazon/

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