ハートマンヤマシマウマ

ビリーとミドリの息子の「アース」がいるよ。

英名:Hartmann's Mountain Zebra
学名:Equus zebra hartmannae
分類:脊索動物門 > 哺乳綱 > 奇蹄目 > ウマ科 > ウマ属
絶滅危惧種危急 (VU)危機 (EN)深刻な危機 (CR)

Vulnerable - 野生で絶滅するおそれが高いと考えられています

ハートマンヤマシマウマの特徴

ハートマンヤマシマウマ(学名 : Equus zebra hartmannae)は、体に黒と白のしまもようがある動物です。このしまもようは、天敵から身を守るためのカモフラージュになっています。体の大きさは、おとなで肩の高さが約120〜150センチメートル、体重は約240〜340キログラムほどです。

ハートマンヤマシマウマは昼間に活動し、主にくさや葉っぱを食べます。水が少ない地域にも適応していて、2〜3日に一度水を飲めば十分です。耳がとても良く、目も良いので、危険を早く感じとることができます。

危険を感じたときは、時速55キロメートルものスピードで走ることができます。

ハートマンヤマシマウマの種類と仲間

ヤマシマウマには3つの種類があり、ハートマンヤマシマウマはその一つです。他には、ケープヤマシマウマとグレビーシマウマがいます。

シマウマは馬の仲間で、ウマ科の動物です。馬やロバとも親せきです。でも、シマウマは野生のままで、人間によって飼いならされていません。

ハートマンヤマシマウマのしまもようは、一頭一頭みんな違っていて、指紋のように個体を見分けることができます。

ハートマンヤマシマウマの子育てと個体数

ハートマンヤマシマウマは、家族を大切にします。オスとメスと子どもで小さな群れをつくり、家族で行動します。

お母さんシマウマは、赤ちゃんを約12ヶ月(1年間)おなかの中で育てます。生まれてすぐに立ち上がって、1時間もたたないうちに走れるようになります。

お母さんシマウマは子どもを大切に守り、約1年間おっぱいをあげて育てます。子どもが3歳くらいになると、自分の家族をつくるために群れから出ていきます。

残念ながら、ハートマンヤマシマウマは絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)に指定されていて、世界には約25,000頭ほどしかいないと考えられています。住む場所が減ったことや、密猟(みつりょう)が原因です。

ハートマンヤマシマウマの生息地

ハートマンヤマシマウマが住んでいる場所

ハートマンヤマシマウマは、アフリカ南西部のナミビアとアンゴラという国に住んでいます。特に、ナミビアの山岳地帯を好みます。

彼らは乾燥した草原や、岩だらけの山の斜面に住んでいます。厳しい環境でも生きていけるように体が適応しています。

水を求めて季節によって移動することもあります。雨季には山の高いところへ、乾季には水が見つかる低い場所へ移動します。

参考文献

  1. Smithsonian’s National Zoo & Conservation Biology Institute. Hartmann’s Mountain Zebra. https://nationalzoo.si.edu/animals/hartmanns-mountain-zebra
  2. IUCN Red List of Threatened Species. (2022). Equus zebra hartmannae. https://www.iucnredlist.org/species/7958/45171819

公式情報『ゆめみにゅーす』の紹介

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VOL.64 ビリーありがとう

ハートマンヤマシマウマの「ビリー」が死亡しました。24歳5か月(国内最高齢)でした。 加齢による筋力の低下・体力の衰えから1月下旬に一時的に起立できなくなり、治療をしていました。過長蹄の影響により足に負担がかかっていることも推測され、再び起立困難になることを防ぐためこれ以上体力、脚力が低下する前に治療のための削蹄を行いましたが、自力で起立することができず、2月6日死亡しました。また当園の「ビリー」と「ミドリ」との間には、当園にいる「アース」を含め4頭の子供が生まれ、各地の動物園でいまも活躍しています。 今までビリーをかわいがってくれた皆様、ありがとうございました。

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VOL.61 ミドリありがとう

2021年6月6日、ハートマンヤマシマウマのミドリが死亡しました。22歳でした。 最近では加齢により筋力の衰え、運動量の低下や蹄の過長などがみられており、治療のため削蹄を行いましたが、その後の回復が芳しくなく、残念な結果となりました。 ハートマンヤマシマウマは野生では絶滅が危惧されており、日本国内でも十数頭しか飼育されていません。そのうち当園で飼育しているアースの他、計3頭がミドリの子どもです。 職員にも来園者にもいろいろな思い出を残してくれたミドリ、一言で言ってしまうのは申し訳ないのですが、ほんとうにありがとう

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VOL.41 ピックアップ動物

ヤマシマウマという種類のなかにケープヤマシマウマとハートマンヤマシマウマの2亜種がおり、ハートマンヤマシマウマはナミビア、南アフリカなどの山岳地帯に生息します。野生では絶滅が心配される動物で、幅の狭い耳や首の前の肉垂などが特徴的です。縞模様もシマウマの種類ごとに異なります。 夢見のシマウマたちは左後肢の付け根の模様が個体ごとに違うので、見分けるのに役立ちます。切れ目のないのがオスのビリー。比較的穏やかで、あまり動じない性格です。縞が途中で止まったような模様があるのがメスのミドリ。繊細な部分があります。ばってん模様になっているのが 2頭の息子、アース。若いためか、最近では怖いもの知らずでかなりやんちゃな面が出てきました。とはいえ、感情豊かな動物であり、それぞれあくまで「一面」です。季節、時間帯、精神状態で様々な顔を見せてくれます。 砂浴びをしたり、走り回っている時は要注意。本人に悪気がなくても(もしかしたらちょっとはあるかもしれませんが)、砂や土が外に飛んで来ます。

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VOL.40 ヤマシマウマのキララが引っ越しました

2013 年1月に生まれたハートマンヤマシマウマのキララ(♀)が、将来の繁殖のため茨城県にある日立市かみね動物園へ引っ越しました。当面は、キララの母・ミドリの母親、つまりキララのおばあちゃんにあたるユメコと2頭で暮らしていくことになります。 夢見ヶ崎動物公園にいる間は、ゆめみにゅーすでも紹介したことがありますが、ません棒を留める鉄製のピンをひん曲げてしまったり、他のウマの部屋の扉をいじって外から開けてしまったり、飼育担当にわざと意地悪をするかのように、部屋に入るのを焦らしたりするなど、最近ではおてんば娘の一面が強く見られたものの、人懐こい雰囲気も持ち、スタッフだけでなくお客さんにもかわいがられてきました。 野生では絶滅の恐れがある貴重な動物であり、日本国内でも11頭しかいないため、繁殖がうまくいくことを祈っています。 それよりまずは、新しい環境に早く慣れて、かみねでも元気にやっていってくれることを望みます。キララ、元気でね!

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