VOL.70 獣医の日記
前回は♀のハクビシンの話でしたが、今回は♂のハクビシンの話です。実はしばらく入院しており、姿を見ていないという方も多いと思います。 食欲が落ち、元気もないことから検査したところ、腸管に何か詰まり、腸閉塞になっている可能性があったため、手術することに。腸管から出てきたのは自分たちの毛や植物の線維など、通常であれば自然に排泄されるものがうまく便と一緒に出て行かず、硬い塊になったものでした。術後は元気になったので退院させたのですが、しばらくすると症状が再発してしまい、再入院。今度は投薬による内科療法で良くなってきたところです。 治療中は消化の良いものから食べさせ始め、徐々に通常の食餌内容に戻して経過観察していますが、動きや食欲だけ見れば健康体と変わらず元気いっぱいでいたずらも良くしています。とはいえ、高齢になっておりそもそもの体力や消化管の動きが落ちていると考えられることから、今後のケアについて考えていかなくてはなりません。