加瀬山第三古墳(加瀬台古墳群3号墳)
夢見ヶ崎動物公園のある加瀬山には、古墳時代の古墳がいくつも残っています。そのなかでも、加瀬山第三古墳(加瀬台古墳群3号墳)は、古墳の中の石室の構造を間近で見られる、川崎市内でも貴重な古墳です。この記事では、加瀬山第三古墳がどんな古墳なのか、そして動物公園で古墳をめぐる楽しみ方を紹介します。
加瀬山第三古墳(加瀬台古墳群3号墳)とは
加瀬山第三古墳は、川崎市幸区南加瀬、夢見ヶ崎動物公園内にある古墳です。正式には加瀬台古墳群3号墳と呼ばれ、川崎市の地域文化財(記念物)に指定されています。
築造されたのは7世紀前半、今からおよそ1400年前と推定されています。台地の斜面に築かれているため墳丘の形ははっきりしませんが、円墳と考えられています。内部には、複室構造で胴張りの横穴式石室があります。ふたつの部屋がつながり、壁がふくらんだ形をした石の部屋です。
川崎市内で唯一、古墳の構造を体感できる場所
加瀬山第三古墳がとくに貴重なのは、古墳の石室の構造をそのまま間近で見られる点です。川崎市は、この古墳を「市内で唯一、古墳の構造を体感できる貴重な遺構」と位置づけています。
石室は屋外にあり、常時見学できます。ただし石室の中へは立ち入れません。開口した状態のため、川崎市は将来的な保存整備が必要としています。
副葬品は、過去に盗掘にあっているため内容が分かっていません。1949年に石室の天井が崩落し、翌1950年に立正大学によって発掘調査が行われました。石室の形から、7世紀前半の築造と推定されています。動物を見に来たついでに、1400年前の石造りの内部をのぞける場所は、そう多くありません。
加瀬台古墳群(夢見ヶ崎古墳群)とは
加瀬山第三古墳が含まれる加瀬台古墳群は、夢見ヶ崎古墳群とも呼ばれます。矢上川の下流に広がる低地から、標高30メートルほどの細長い台地として突き出した加瀬山の上に築かれた古墳群です。この加瀬山が、今の夢見ヶ崎動物公園になっています。
古墳群が造られたのは、4世紀後半から7世紀後半にかけての長い期間です。もともと11基ほどの古墳や塚があったと考えられ、現在は動物公園内に7基が残っています。前方後円墳や円墳、方墳などさまざまな形の古墳が含まれます。園内には、天照皇大神の本殿が上に建つ7号墳のように、社殿や祠と一体になった古墳もあります。
白山古墳と国宝・秋草文壺
加瀬台古墳群を語るうえで欠かせないのが、白山古墳です。4世紀後半に築かれた、武蔵国でも最も古い大形の前方後円墳で、全長は87メートルありました。昭和12年の発掘調査では、鏡・玉・鉄器など多くの副葬品が出土しています。なかでも三角縁神獣鏡は、初期のヤマト政権から分け与えられたものと考えられています。白山古墳自体は今は失われ、住宅街になっています。
さらに、この白山古墳の後円部の下側からは、昭和17年の土取り工事中に秋草文壺が偶然見つかりました。平安時代末の12世紀後半に愛知県の渥美窯で焼かれた壺で、昭和28年に国宝に指定されています。現在は東京国立博物館で展示公開されています。加瀬山は、古墳時代から平安時代まで、時代を超えて貴重なものを伝えてきた丘です。
参考にした主なサイト(出典)
- 川崎市教育委員会「加瀬台古墳群第3号墳」: https://www.city.kawasaki.jp/880/page/0000157113.html
- 川崎市教育委員会「夢見ヶ崎」(古墳群・秋草文壺): https://www.city.kawasaki.jp/880/page/0000000051.html
- 加瀬台古墳群 – Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/加瀬台古墳群










































